実績を残しても昇進できないどころか、評価さえされない。
働いていると一度は直面しそうな現象。
実績を残したのに、なぜ評価されないのか。なぜあの人が昇進しているのか。働く人が持つそんな疑問に対して、答えを示してくれている本がジェフリー・フェファー著の『権力を握る法則』。
- 評価されるために必要なことは
- 権力を手にするにはどうすれば良いか
上記のような内容が書かれており、職場での立ち回り方を教えてくれる1冊となっています。
そんな『権力を握る人の法則』のレビューを書いてみました。
権力の握り方を解説した本『権力を握る人の法則』のレビューは以下の記事で紹介しています。
half-hearted-blog.hatenablog.com
今回読んだ本『権力を握る人の法則』
『権力を握る人の法則』のレビュー
『権力を握る人の法則』を読んだレビューを簡単にご紹介。
実績と昇進は関係ない!!
「実績を残せば良い評価をもらえ、昇進ができる」。
このような考えを持って働く人が多いと思います。
しかし、多くの組織やポストでは、実績の有無は重要な意味を持たないことがデータで明らかになっています。
本書でも実績と昇進の関連性が紹介されています。
その内容は、採用・昇進審査への関与の有無が人事評価にどのように影響するかを実験したものです。
結果としては、上司は自分が採用・昇進審査で良い評価をした職員には、過去から在籍する職員や採用・昇進審査で低評価した職員よりも高い評価を与える傾向にあり、自分の反対を押し切って採用した人物には、低評価をする傾向にありました。
人事評価の客観的な基準が決められている場合でも、審査の関与が影響する結果となっており、採用の決定という関与が、人事評価を左右することが判明しています。
なので、仕事の成果よりも上司との関係性が重要...ということが考えられます。
また、昇進に関しても、昇進と実績が密接に関係しているとは言えないデータがあります。
1980年に経済学者のジェームズ・メドフとキャサリン・エイブラハムが行った実験が評価されており、その実験では実績よりも年齢や在職期間との相関性が高いと指摘されています。
その後もアメリカをはじめとする世界各国を対象とする実験が行われましたが、ジェームズとキャサリンの研究結果が正しいと指摘されています。
実績が昇進に影響を与えることは統計的に有意な関係が認められているが、学歴や人種、性別などの要素が与える影響が大きいことが紹介されています。
権力を手にする7つの資質
では、高い地位に上り詰めるにはどうしたら良いのか。
明確な根拠は示されていませんが、著者自身の研究の成果として、権力の獲得と関連付けられる2つの基本要素と7つの資質があげられています。
2つの基本要素は、以下の内容。
- 困難に挑戦する意思
- その意思を目標達成に結びつけるスキル
7つの資質は、以下の項目。
- 決意
- エネルギー
- 集中
- 自己省察
- 自身
- 共感力
- 闘争心
決意、エネルギー、集中の3つは意思の力であり、残りはスキルとして身につけることができる項目です。
各項目の詳細については、本書内で詳しく紹介されているので、日常生活でどのようにして身につけたら良いのかも具体的に紹介されています。
ネットワーク作りが大切
資質はもちろん、重要となる要素として、人脈作りの大切さも紹介されています。
- ネットワーク作りの秘訣
- ネットワーク作りに有利な仕事
- ネットワーク力を身につける方法
...など、人脈作りについての活用方法が紹介されています。
「権力を手にしたいけど、人と接するのが苦手」...とネットワーク作りが苦手な方にも参考になる内容が多く、おすすめです。
まとめ
以上、『権力を握る人の法則』のレビューをご紹介しました。
実績を残す=昇進・高評価ではないことを知った時は驚きましたが、権力を手にするための具体的な立ち回り方法について、エビデンスを元に紹介されていたので、とても参考になる内容でした。
「実績を残しているのに、評価されない」...と悩んでいる方におすすめの内容なので、気になる方はぜひ!!